出版業界のインディーズレーベル「MyISBN」で広がる表現の世界

出版業界のインディーズレーベル「MyISBN」で広がる表現の世界

「0から1を作ることが得意」と自他共に認めるアイデアマンのデザインエッグ株式会社代表の佐田幸宏さん。ISBNをつけた自分の本をAmazonで販売できる出版社「MyISBN」が平成25年3月1日にスタートし順調に利用者数を増やしている中、利用者の生の声と佐田さんから新しい利用法の提案をいただきました。

MyISBNで制作した書籍を、大学講義において実際に生徒用の教科書として利用されている「大阪産業大学デザイン工学部 情報システム科山田先生」にお話を伺いました。

MyISBNで書籍を作るに至ったきっかけはなんだったのでしょうか?

「電波、通信に関する法規」の講義を行う中で、教科書選定に苦労したところから始まります。現在、私の授業を履修している学生数は、120名ほどおります。

当初は、前任の先生が指定されていた書籍を教科書としておりましたが、本講で使うには「高級」過ぎる内容でした。また価格も高く(4000円弱)候補に挙がった別の書籍(これは2000円強)も内容補足の必要があり、別途プリントを何十部も準備し都度配布する必要がありました。さらに、法改正がある度に書籍が改訂されるという問題点もありました。

「教科書を執筆してみたらどうか」と声を掛けていただき、講義用の教科書を制作することも検討し始めました。けれど、出版にかかる費用は一般的に100万円程度から、前述の某公立大学の出版局でも50万程度は必要とのこと……教科書として一定の部数の需要は見込めるものの、法改正があれば改訂は必至ですし、果たして「償却」できるものか、という点は書籍発行の決断に対し大きな壁でありました。

なぜMyISBNを選んだのでしょうか。

プリントを配布してなんとか講義をしのぐ年が重なり、このあたりから自分の授業で使う書籍は自分で準備せざるをえないのではないか、という思いが強くなりました。

そこに、目に入ったのは「MyISBN」でした。「一も二もなく飛びつく」性格なんでしょう(笑)すぐアクセスさせていただきました。費用は4980円と某出版局の100分の1であるにも関わらず、ISBNがふられAmazonで入手できるという機能は全くもって私のニーズに合致していました。

実際に利用してみた感想はいかがですか?

実際に発行のプロセスも簡単でしたし、まさかこんなに簡単に「書籍」が発行できる
とは思いませんでした。この4月からの授業で、実際に活用致しております。本講の教科書として(電波)法改正があった際にすぐ対応できることも重要なメリットの一つです。

軽々には言えませんが、本講に限っていえば教科書は電子書籍タイプより紙媒体の方が有用性があったように考えます。辞書のような「単語」を検索するわけではなく、内容の理解、前後の関係の認識、など、「見渡す」ことが必要となる文献は、紙媒体のほうが良かったのかな、という印象です。今後、表紙デザインの作成を捕捉する機能ということで、別料金ででも「表紙デザイン」を支援する機能があれば嬉しいですね。

続いて、MyISBNを楽しむ為に、佐田さんに新しい利用法やアイデアをいただきました。

これまでの山田先生の話を受けて、佐田さんから新しい利用法の提案などをいただけませんでしょうか?

山田先生のように、既存の出版形態の代わりに活用していただいているのは大変ありがたいです。MyISBNの利用法として、大きなメリットのひとつです。先生の利用法とも重なっている部分はあるのですが、MyISBNの利用価値として「ニッチなターゲットに向けて書籍化できる」という部分があります。通常出版される本は「売れることが見込まれている本」であったり、広告スポンサーとの関係で情報が限定されていることも多いからです。

今回MyISBNで面白い使い方をしていただいている本の中に「ネコと学ぶディベートの本 – 日本一やさしいディベートの教科書」という書籍があります。最近出版された本ですが、売り上げを伸びが目立ちました。なぜかと調べてみると、Amazonのキーワード検索で単語検索をすると「講義」が約2万6千件なのに対して「ディベート」は約560件なのです。つまりディベートに関する本は「売れない」ので出版されている本が少ないのです。MyISBNは在庫を抱える必要がなく売れなくても損がないため、金銭的にリスクの高い本が出版できるのです。絞ったターゲットに向かって、情報が届けられることは大変強みの部分です。

最後に、アイデアマンの佐田さん。出版してみたら面白いんじゃないかと思う書籍案はありますか?

そうですね……「○○高校の一番賢かった人の授業ノート」なんかはどうでしょうか。直筆のままのノートがページになっていたり!何年後かに本人が有名大学に入って有名になったりするといきなり売れだしちゃう可能性もありますよね(笑)。

あとは「こんなスケジュール記入欄がほしい」を形にできる自分仕様のオリジナル手帳や、エリアを絞った穴場のご飯スポットとかもあっても面白そうです。僕は0から1を作るので、1を100にするのは、みなさんの自由な発想と遊び心で、MyISBNのいろいろな利用法を見つけてほしいと思います。

今日はどうもありがとうございました

大阪IT通信について

大阪IT通信は、『地域とITをむすぶメディア』です。大阪近郊の地域情報と全国のIT情報を発信していきます。

メールマガジンをご購読ください。
関西の最新IT情報をお届けします!